第10回宝コラム (仮)新型コロナ(COVID19)罹患後症状、ワクチン
2020年11月27日
「罹患後症状」(post COVID-19 condition)
感染が治まっても、長く体調不良が続く方がいます。「新型コロナにかかり少なくとも2か月以上症状が持続し、他の疾患によるものとして説明がつかない。通常、発症から3ヶ月たった時点でも見られる症状」と定義されています。*4
主な症状としては、次のようなものが報告されています。
・疲労感、倦怠感
・睡眠障害
・集中力低下
・呼吸困難
・脱毛
・記憶力の低下(ブレインフォグ)
・嗅覚、味覚障害
・咳嗽
(ポイント)
① 成人の方が小児より頻度が高い。
② アルファ、デルタ流行期(25~28.5%)に比べオミクロン流行期(第6~7波)では頻度は低い(11.7~17%)。
③ 感染前にワクチンを接種していた人は未接種者より頻度が低かった。
④ ワクチンを2回以上接種した人は非接種者に比べて新型コロナに罹患後30~120日間の虚血性心疾患、心不全、心停止、肺塞栓、静脈血栓症、急性腎不全、慢性閉塞性肺疾患の発症率が低かった。
⑤ 標準的な治療法は確立しておらず症状に対する治療が中心。数か月~半年で徐々に改善する事が大半。
⑥ 一旦症状が悪化したり治るまで長期間を要したり、再発することもあるため定期的に通院し継続的に評価する事が重要。
⑦ 嗅覚・味覚障害の発生率は減少しましたが(2020年流行期を1としてオミクロン流行期は0.07!)感染者数が増加しているため患者数は減少していません。そのうち数%が1年後も症状持続。障害の程度は低いが異嗅症を高率に(50%以上)合併します。 *4
(ワクチンについて)
2024年4月~年1回の定期接種(B類疾病)となりました。65才以上及び60~64才で心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が極度に制限される方が対象です。生後6ヶ月~64才の方は任意で接種可能。
●WHOの推奨する最新の抗原組成が用いられています。
●2024/25で使用されたJN.1対応ワクチンは接種しなかった場合と比べて18~64才で60%の発症予防効果あり。 *5
●基礎疾患がある方や中等度~重度の免疫不全者には接種が強く推奨。 *5
●過去に新型コロナにかかった人も再感染のリスクがあり、発症から3ヶ月以上経過していればワクチンの接種が奨められています。 *5
●ワクチンを接種する事で感染しても軽く済みます。家庭内での感染率が27~46%低下、罹患後症状発現率が36~43%低下。 *5
●2025年度はJN.1系統変異株であるLP.8.1とXEC、近縁のNB.1.8.1に対応した5種類のワクチンが供給されます(コミナティ、スパイクバックス、ヌバキソビッド、ダイチロナ、コスタイベ)。いずれも効果が期待され臨床試験で安全性が確認されています。インフルエンザワクチンと同時接種も可能です。*5 *6
感染後に体調の変化が長く続く場合は、自己判断せず、早めに医療機関にご相談ください。
引用出典
*4 新型コロナウイルス感染症 COVID19診療の手引き 別冊
罹患後症状のマネジメント第3.1版
*5 COVID19ワクチンに関する提言(第11版) 一般社団法人
日本感染症学会 ワクチン委員会・COVID-19ワクチンタスクフォース
*6 2025年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解
一般社団法人日本感染症学科 一般社団法人日本呼吸器学科
日本ワクチン学科