Allergic Rhinitisアレルギー性鼻炎

鼻粘膜のI型アレルギー性疾患(即時型ともいわれIgE抗体が関与)。くしゃみ、鼻水、鼻づまりを3主微とします。

アレルギー性鼻炎の割合は、原因、年齢、地域、調査方法、年度などで変わることから正確に知ることは難しいですが、2019年の耳鼻咽喉科およびその家族を対象とした全国調査で全体のうちアレルギー性鼻炎は49.2%、花粉症は42.5%、通年性のアレルギー性鼻炎は24.5%、スギ花粉症は38.8%でした。

アレルギー性鼻炎についてAllergic Rhinitis

検査・診断

病型・重症度

治療についてTreatment

症状が無い、もしくはあってもごく軽度であり、日常生活に支障がなく薬もあまり必要でない状態となることを目標にしています。

患者さんとのコミュニケーション

苦痛に感じている症状、過去の治療歴、今回の治療で何を希望されているかを丁寧に問診。問診表の活用で効率の良い診察を目指します。

原因物質の除去と回避

室内塵ダニによるアレルギーには掃除や寝具の洗濯によるアレルゲンの除去。また除湿器を用いて室内の温度を上げない(45%以下)、室温20~25℃を保つようにすることも効果的です。スギ花粉は花粉情報に注意し、外出時にマスク、ゴーグルの着用。なるべく花粉を室内に持ち込まない様にけばだったコートの使用は避け、帰宅時は衣服や髪をよく払ってから入室。室内は掃除で除去、特に窓際を念入りに掃除します。

薬物療法

・ケミカルメディエーター遊離抑制薬
・ケミカルメディエーター受容体拮抗薬
・Th2サイトカイン阻害薬
・ステロイド薬
・生物学的製剤
・その他

症状に応じて各種薬剤を選択、組み合わせて処方します。即効性、持続時間、副作用の少なさ、長期処方のしやすさなどからケミカルメディエーター受容体拮抗薬の中の第2世代抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)が処方されることが多いです。
鼻噴霧用ステロイド薬は効果発現が早く、くしゃみ、鼻水、鼻閉に等しく効果があります。副作用は少なく、初期の炎症から使用することで飛散ピーク時の症状悪化を抑えることができます。
その他、ロイコトリエン受容体拮抗薬などは必要に応じて処方します。
近年、これまで気管支喘息、突発性蕁麻疹に適応のあった生物学的製剤である抗IgE抗体製剤(ゾレア)が重症季節性アレルギー性鼻炎に保険適応となりました。しかし、使用にあたっては従来の治療法では効果のない重症者が対象となり条件も細かく規定されているため慎重な対応となります。

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)

アレルギーの原因となる物質を継続して投与しアレルギー症状を少なくしていく治療法です。2014年よりスギ花粉症に、2015年よりダニ通年性アレルギー性鼻炎に対し舌下免疫療法が保険適応になりました。これまでの皮下免疫療法にくらべ全身性の副反応が少なくなり安全性が高まりました。自宅で内服でき継続しやすくなったことから当院でも5才以上のお子さんからスタートされる方が多くなっています。

・一般的な薬物療法で効果のうすい方
・薬物療法の減量を希望する方
・薬物療法で副作用が現れる方
・根本的な治療(投与終了後、長期の症状改善)を希望される方

などにおすすめします。

  • 治療を行った8割前後の方に有効性が認められており、3年間治療後も長期にわたり有効性の持続が期待できるとされています(ダニ舌下免疫治療法、7年効果持続)。
  • 副作用として口腔内の腫れ、かゆみ、違和感などが開始初期に多くみられますが適切な処置で治癒します。まれにアナフィラキシーという重症アレルギー反応が起きる可能性があり、症状発現時には直ちに医療機関を受診するなど迅速な対応が必要です。
  • 通院は症状が安定してくれば1か月に1回です。最低3~5年間は継続して内服が必要となる治療です。5歳未満や重症気管支喘息の方はできません。その他、慎重投与となる場合もあり受診時に判断となります。

手術療法

薬物療法などで効果がない場合や鼻の構造上、手術で症状の改善が期待できる場合におすすめします。高次病院へのご紹介となります。

(引用:鼻アレルギー診療ガイドライン2020)